管工事で使用される計測器をご紹介

管工事の種類と使用される計測器

管工事という言葉自体は聞いたことがあっても、実際にどんな工事の事を指すのか分からないという方は少なくありません。管工事とは非常に幅広い言葉で、管を配置する工事全体を指します。例えば空調調和設備工事、給排水・給湯設備工事、冷暖房設備工事、水洗便所設備工事、ダクト工事などです。計測器などを適切に使用して工事を行わないと大事故につながる恐れがあるため、慎重かつ正確な施工が必要となります。では管工事ではどのような計測器が使われるのでしょうか。

管内カメラ

管工事で用いられる道具として挙げられる代表的なものが「管内カメラ」です。管を設置すると、管内を観察することは困難になります。特に管が長くなると、管内の状況を目視で把握するのは不可能です。例えば配管のつまりによって様々なトラブルが起こった場合には管内カメラで管内を観察する必要があります。排水管のつまりを放置しておくと、排水のあふれや悪臭などにつながるため、すぐに対処しなければなりません。この場合管内カメラによってつまりの原因と場所を特定することで、素早い対処が可能になります。管内カメラによって、配管を外したり壁を壊したりといった大規模な工事をせずにすみます。現在では非常に細い管でも内部を観察できるようになっており、管工事において管内カメラは必須のアイテムとなっています。

ファイバー

管内カメラに加えて、ファイバースコープも管工事で活躍する計測器の一つです。ファイバースコープは、わずかな隙間から光ファイバーを内部に挿入して状況を確認する事ができるものです。空調設備や水道・ガス管はもちろんのこと、自動車部品や建築、鉄道・船舶・航空などの分野でも用いられています。管内カメラが管内を映像によってチェックできるのに対し、ファイバースコープは他の要素も観察できるという特徴があります。例えば高度なファイバースコープであれば、高温を感知する機能であったり耐衝撃性に優れていたりと多くの機能も搭載されています。さらにどんな天候、環境でも確認しやすいモニター、直観的に操作できる管理など、操作性の高さも追及されています。ファイバースコープも管内を観察するために必要な計測器なのです。

厚さ計

管内の観察のみならず、管工事には多くの計測器が必要です。その一つが「厚さ計」です。厚さ計はその名の通り、材料の厚さを超音波によって測ることができる計測器です。計測できる材料は非常に多岐にわたり、鋼やアルミニウム、チタンなどの金属類はもちろん、ガラスやセラミックス、ゴムなどの厚さも測ることができます。管の厚さを測る必要があるのだろうかと思うかもしれませんが、管内の摩耗・腐食状況を調べるのに厚さ計は非常に重要な役割を果たします。特に管の一部分だけが腐食していたり摩耗したりして薄くなっている場合には、厚さ計を使ってどのくらい状況が深刻なのかを見極める必要があります。さらに蒸気タービンなど非常に高温になるケースでは、管の肉厚が高温に耐えられる以上になっているかを確認しなければなりません。基準を満たした厚みになっていなければ大事故を起こす恐れもあるので、厚さ計の果たす役割は非常に大きいと言えるでしょう。

鉄管ケーブル探査機

電気的に導通している金属の管やケーブルの位置や深さを測定するために用いられるのが鉄管ケーブル探査機です。道路工事をする際には水道管やガス管、電力ケーブルなどを傷つけないように工事する必要があります。当然どの場所に、どのくらいの深度で管やケーブルが埋設されているかは見た目では分からないため、探査機を使って正確に場所と深度を把握しなければならないのです。探査機によっては横移動しながら深度を測定できる機能も付いているため大変便利です。

埋設ケーブル探査機

鉄管ケーブル探査機と似ていますが、埋設されたケーブルを測定する計測器もあります。それが埋設ケーブル探査機です。埋設位置や埋設方向、深度を同時に計測・表示することが可能な機器もあり、通信業者やガス・水道業者などにとってとても便利な計測器です。

計測器に通じることでより安全な工事を

管工事に使用される計測器は非常にたくさんあるため、どのような状況でどの計測器を使用するかよく知っておく必要があります。計測器についてよく理解しておけば、より安全でより確実な工事を行うことができ、事故を未然に防ぐことも可能になります。快適な住居・オフィスを作るため、管工事の計測器についても理解を深めるようにしたいものです。