電車・鉄道で使われている測定器特集

電車、鉄道で使われている測定器について

電車や鉄道の分野では、安全性と安定輸送を確保するため、車両の状態と線路（軌道）の状態を監視・分析するための多種多様な測定器が使われています。

測定器は、主に「車両の検査・状態監視」と「線路（軌道）の保守・検査」の2つの大きな目的で利用されます。

1. 車両の検査・状態監視に使われる測定器
車両の異常を早期に発見し、乗り心地や安全性を維持するために、多くのセンサーや専用の検査装置が用いられています。

■車両に搭載される測定器・システム

列車モニタ装置 (車両モニタ)：
・車両に搭載されたブレーキ、ドア、インバータなどの各種機器の状態を集中管理・監視するシステム。機器の動作データ（電流、電圧、温度など）を収集し、運転士や整備士に情報を提供します。

加速度センサー / 動揺測定装置：
・車両の振動（動揺）を測定し、乗り心地や走行安定性を評価します。これは線路の状態を間接的に把握するためにも使われます。

速度計：
・車輪の回転数などから列車の速度を正確に測定します。

■車両基地などで使われる検査装置

車輪形状測定装置：
・レーザーや画像診断技術を用いて、車輪の直径、フランジの厚さや高さといった摩耗状態を非接触で自動測定します。車輪の異常摩耗（フラットなど）は、振動や脱線の原因となるため重要です。

輪重測定器：
・各車輪にかかる重さ（輪重）を測定し、左右のバランスや不均衡がないかを確認します。

パンタグラフ検査装置：
・架線に接触するすり板の摩耗度や形状をカメラやレーザーで自動計測し、交換時期を判断します。

熱検知装置：
・走行中に線路脇に設置され、列車が通過する際の床下機器（軸箱、ブレーキなど）の温度を監視し、過熱などの異常を自動で検知します。

2. 線路（軌道）の保守・検査に使われる測定器
安全な運行に最も重要な線路の状態を、ミリメートル単位の精度で測定するために、専用の検査車両や携帯型の測定器が使用されます。

■軌道検測・計測装置

軌道検測車 (ドクターイエローなど)：
・営業列車とほぼ同じ速度で走行しながら、軌道（線路）のゆがみを総合的に測定する専用車両です。
・測定項目:
【軌間】左右のレールの内側の幅。
【水準】左右のレールの高さの差（カント）。
【通り】レールの平面的な曲がり具合。
【高低】レールの縦方向の凹凸。
【平面性】上記の要素を総合した、線路のなめらかさ。

標準ゲージ / トラックマスター：
・手作業や簡易な台車で運搬できる携帯型または牽引式の測定器。主に軌間と水準を手軽に測定するために使われます。

■レール・架線摩耗測定器

レール探傷器 / 超音波探傷器：
・レール内部に超音波などを当てて、目に見えない亀裂や傷（折損の原因となる欠陥）がないかを検査します。

レール断面摩耗測定装置：
・レーザー光切断法などを用いて、レールの頭部の摩耗量を非接触で測定します。

トロリ線摩耗計測装置：
・レーザーやカメラを用いて、架線（トロリ線）の残存直径や摩耗度を測定します。

■その他

レール温度表示器/測定装置：
・ロングレール（長い溶接レール）の座屈を防ぐため、レールの温度を測定します。

トータルステーション：
・建設や大規模な軌道工事の際に、線路や周辺構造物の正確な位置情報（3次元座標）を計測するために使われる測量機器です。

■まとめ

多くの人間が利用する鉄道・電車のリスク回避・安全管理に、測定器は重症な役目を持っています。

■お勧めの測定器

主な測定器は「レール溶接部専用超音波探傷器 UI-25RL」、「鉄道車両用速度加減速度計 FV21B-AC100」など。