お勧めの鉄筋探査機特集

鉄筋探査機とは

鉄筋探査機は、コンクリート構造物の内部を非破壊で調査し、鉄筋の位置、かぶり厚（コンクリート表面から鉄筋までの最短距離）、そして鉄筋径（太さ）を推定するために使用される重要な検査機器です。

主に補修工事、耐震診断、コア抜き工事などの際に、鉄筋や配管を傷つけずに施工を行うために用いられます。

■鉄筋探査機の主な種類と原理

鉄筋探査機は、その測定原理によって主に以下の2種類に分けられ、用途によって使い分けられます。

1. 電磁誘導法（パルス誘導法）
原理: 機器から発生させた磁場（電磁誘導）を利用し、コンクリート中の鉄筋（金属）に発生する
渦電流による磁場の変化を検知して、鉄筋の位置や深さを推定します。

特徴
手軽さ: 小型で軽量な機種が多く、操作が比較的容易です。
測定対象: 鉄筋などの金属のみに反応します。
測定深度と精度: 比較的浅いかぶり厚（例：100mm前後まで）の探査に適しており、
鉄筋が密集している場所では精度が低下することがあります。
得意なこと: 鉄筋の位置や配筋の有無、簡易的なかぶり厚の測定。

2. 電磁波レーダー法（GPR: Ground Penetrating Radar）
原理: 機器からコンクリート内部に向けて電磁波（マイクロ波）を発射し、鉄筋や空洞、塩ビ管などの比誘電率の異なる物体に反射して戻ってくる時間と波形を解析することで、位置と深さを推定します。

特徴
測定対象: 鉄筋（金属）だけでなく、塩ビ管、空洞、水道管、電線などの非金属も検出可能です。
測定深度と精度: 比較的深い位置（例：200mm〜450mm程度）まで探査が可能です。
結果の表示: 内部の状況を波形や断面画像として視覚的に表示する機種が多く、解析には熟練を要する場合があります。
注意点: コンクリート内に水分が多く含まれる場合（脱型直後や雨天直後など）は、電磁波が吸収されやすくなり、
測定が困難になることがあります。

■鉄筋探査機を選定する際のポイント

適切な機種を選ぶことで、現場の作業効率と信頼性が大きく向上します。

選定ポイント	電磁誘導法が適している場合	電磁波レーダー法が適している場合
探査の目的	鉄筋の位置と、浅いかぶり厚のみを迅速に知りたい場合。	鉄筋の位置・かぶり厚・径に加え、非金属（空洞、配管など）も同時に探査したい場合。
探査深度	浅い部分（~100mm程度）を、高精度で測定したい場合。	深い部分（100mm超）まで広範囲に測定したい場合。
配筋の複雑さ	鉄筋が密に重なっていない、比較的単純な配筋の場合。	配筋が複雑で密集している場合や、複数の埋設物が混在している場合。
操作の簡便性	誰でも簡単に、マーキング作業中心で使いたい場合。	専門的な解析を前提とし、詳細な内部情報を得たい場合。